華やかさの陰で生きる俳優を演じる―『雨光(仮)』ハ・ジウォン

  • 2026.09.04
  • MEDIA

韓国の映画雑誌「CINE21」にジウォンさんのインタビューが掲載されていましたので皆さんにご紹介します。

<スタッフ翻訳文>

華やかさの陰で生きる俳優を演じる―『雨光(仮)』ハ・ジウォン



ナムミの人生がようやく安定を取り戻そうとした頃、夫のジュング(リュ・スンリョン)に隠し子がいることが発覚する。少し前に家庭を築いた俳優と野球選手、そして彼らの娘ドンジュ(キム・シア)をめぐる世間の非難は、なかなか収まらない。8年が経った後も、ナムミを快く思わない視線は存在するが、彼女は今も放送業界の小さな役も厭わず、なんとか苦境を乗り越えようとしている。 今年初めに放送された『クライマックス』に続き、『雨光(仮)』でもハ・ジウォンは「俳優」を演じる。『クライマックス』のサンアが成功への野心を隠さずさらけ出す人物だとすれば、『雨光(仮)』のナムミは枯れ果てた状況の中でも俳優への夢を抱き続ける人物だ。これまで俳優ハ・ジウォンの強みだった、まっすぐで力強いエネルギーは『雨光(仮)』では凄絶で達観したものへと変貌する。30年近いキャリアを持つベテランの変身に、今こそ注目すべき時だ。


©CINE21

―多くの人がナムミから、ハ・ジウォンさんの新たな一面を発見することになるでしょう。ご本人も変化を求めて『雨光(仮)』に参加されたのでしょうか。

自分という存在や、私が演技をする理由について、いろいろと悩んでいた時期に『雨光(仮)』のシナリオを受け取りました。ナムミというキャラクターも俳優なので、俳優ハ・ジウォンとしてこれまで抱えてきた悩みとつながる部分がありました。 これまで、キャラクター性の強いファンタジー作品に出演することが多かったのですが、現実に足をつけて生きているナムミという人物に出会ったことが、とても興味深かったです。この人物とその世界に完全に溶け込みたいと思いましたし、イ・ジウォン監督ともぜひ一緒に仕事をしてみたかったので、断る理由はありませんでした。

―ナムミも俳優ですが、性格はずっと荒々しく、成功と失敗の起伏も激しく描かれるキャラクターですね。

ナムミが着るゴールドのドレスも、ハ・ジウォンなら着ないような衣装です(笑) キャラクターを作り上げる時、外見を徹底的に準備することが重要だと思っています。そういう面で、イ・ジウォン監督とは意見がよく合いました。時々、私自身がデザイン案を作ってスタッフに提案することもあるのですが、監督がとても綿密に準備してくださっていたので、その必要はありませんでした。8年後という時間の経過を表現するために、わざと髪を脱色して傷ませました。そのほか、ナムミの鋭い話し方や、悪態が飛び出す時の高いテンションなども徹底的に研究しました。
外から見れば華やかな人生を送っていた俳優が、転落した時に感じる落差をどう描くべきか、監督とは何度も意見を交わしました。映画には描かれていない時間の中でも、ナムミはものすごく努力していたはずです。でも、そんなナムミを受け入れてくれない人たちもいたでしょう。だからこそ、今のような人生を送ることになったのだと思いました。

―ナムミとジュングの関係をどう捉えましたか。2人が再会した時も、いまだに愛憎が入り混じっているように見えました。

ナムミはジュングとラブラブに愛し合っていたというより、家族のような存在だったのではないでしょうか。私はそう感じました。
ジュングとは別れましたが、ナムミはずっと家族の温かさを恋しく思っていたのだと思います。ジュングの母親ギシク(キム・ヘスク)や姉のジスク(キム・ソニョン)ともずっと連絡を取り合っていて、彼女たちもナムミをよく気にかけてくれます。何よりも、8年後にジュングと再会した時の演技が難しかったです。突然現れたドンジュを連れてジュングのもとへ行った時、ナムミの顔には少しの懐かしさ、よそよそしさ、ためらいといった感情が入り混じっています。その複雑な心情を表現するのは簡単ではありませんでした。

―映画の中でも特に強烈なシーンの一つが、ドンジュの居場所をめぐってナムミとジュングが言い争う場面です。2人ともすさまじいエネルギーを爆発させなければならないシーンでした。

あのシーンは本当に重要だったので、監督、リュ・スンリョンさんと撮影前に何度か読み合わせをして、リハーサルも行いました。文字通り、ナムミの獣のような、生々しいエネルギーが噴き出さなければならないシーンでした。トーンを変えず、一気に最後まで突っ走らなければならないシーンだったので、撮影を終えた時には疲れ果てていました。それでも、全力を尽くして撮影したシーンです。

―一方、ジスクと酒場で話すシーンでは、悲しげな感情や率直な会話が交わされます。

あのシーンを撮影した時は、とても楽しかったです。酔っ払ったジスクが「ナムミの髪がパサパサしている」と言って毛先にマヨネーズをつけてあげたり、口に果物を入れてあげたりする場面は、全部アドリブです。息もぴったり合っていたので、「今度また一緒にやりましょうね」と言ったりもしました。

―俳優としてかなり悩んでいた時期に取り組んだ作品だそうですね。撮影を終えてみて、いかがでしたか?

今もまだ、悩み、問い続けている途中です。自分という人間と俳優という仕事についての悩みは、これからもずっと続いていくのだと思います。今でも演技は難しいです。でも『雨光(仮)』は、久しぶりに新人のような気持ちで、必死に取り組んだ映画です。それだけに、とても大切で愛着のある作品です。

―『クライマックス』のサンアも同じく俳優ですが、ナムミとはまた違ったタイプの人物ですね。

『クライマックス』のほうが先に公開されましたが、撮影した順番は『雨光(仮)』が先でした。ナムミもサンアも、華やかな人生を送っている俳優です。ナムミが転落を経験し、苦しみながらも耐えて生きていくキャラクターだとすれば、サンアは生き残るための欲望をむき出しにする人物に近いです。そうした違いを表現するのが面白かったです。『クライマックス』が大きな愛を受けて、最近は中国や日本などでファンミーティングを開催することになりました。また、YouTube番組『26学番ジウォンです(原題)』の撮影にも一生懸命取り組んでいます。次回作のシナリオを読みながら、次の作品も一歩ずつ準備していくつもりです。

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